「ボルボのDCTって壊れやすいって聞いたけど、本当?」
「V60に乗りたいけど、ミッション壊れたら修理費50万とか聞いて怖くて…」
こんにちは、YAMANASHI TECHのこあきなです。
山梨の山奥で、中古ボルボV60と暮らしながら、できる整備は全部自分でやっています。
結論から言うと、DCTは正しく乗って、ちゃんとメンテすれば全然壊れません。
僕のV60は今13万kmを超えていますが、DCTのトラブルはゼロです。
ただ、1度だけ東名高速の渋滞でDCTが悲鳴を上げて、「あ、これ止まるわ」と確信した瞬間がありました。
そのヒヤヒヤ体験と、「なぜそれ以外は13万kmノートラブルでいられるのか」をそのまま話します。
DCTって何?普通のATと何が違うの?
V60に乗るなら、ここだけは頭に入れておいてください。
DCT(デュアルクラッチトランスミッション)は、よくある日本車のAT(トルコン式)とは全然別物です。
簡単に言うと、マニュアル車のクラッチを2枚使って自動で変速するシステムです。
変速が速くてスポーティ、燃費もいい。
ただし、
- 熱に弱い
- 渋滞に弱い
- フルードが劣化すると一気にガタがくる
という特性があります。
この3つを知っているかどうかで、V60との付き合い方がまるで変わります。
知らないまま乗り続けると、ある日突然「ガタガタ」「バック入らない」「坂道で後退する」が始まって、気づいたら修理費50〜80万円コースです。
ふざけんな、って話ですよね。
でも、これは知らなかった側の負けなんです。
じゃあ、具体的に何をすればいいのか。
僕が購入直後に最初にやったことから話します。
購入直後にフルードを交換したら、真っ黒だった
買ってすぐにやったのがDCTフルードの交換です。
前のオーナーが年配のお爺さんで、ディーラー整備っぽかった。
でも、DCTフルードまで交換してるかはわからなかった。
で、実際に抜いてみたら。
真っ黒でした。
エンジンオイルみたいなとろっとした感じも全くなくて、もうドロドロ。
みつあんずって知ってますか?あのくらいドロドロしてました。
「これでスムーズに走れるわけないわ」って思いましたよ。
匂いも独特で、ちょっと酸っぱいような、嗅いだことのない臭い。
「これ、一度も交換してないやつだ」って、抜いた瞬間にわかりました。

↑これが抜いた直後の状態。みつあんずくらいドロドロしてました。
新しいフルードはさらさらで、はちみつみたいな黄色。

↑これが新品。同じ液体とは思えないレベルです。
それだけでもすっきりしたんですが、交換後に走り出したらもう驚きました。
交換後の走りが、別の車みたいだった
変速ショックが、消えました。
それまでは1速から2速、2速から3速に切り替わる瞬間に「ガコン」って衝撃があって、「あ、ギアが変わったな」ってわかるくらいだった。
それが交換後はスーッとつながるようになって、変速したかどうかわからないくらいスムーズになった。
バックギアの入りにくさもなくなった。
坂道発進でちょっと後ずさりする現象も消えて、ブレーキ離したらグッと1速で支えてくれる感じになった。
走りもキビキビして、吹き上がりが気持ちよくなった。
エンジンオイルを交換した後って、走りが滑らかになる感じがあると思うんですが。
それの3倍くらいの効果がありました。
「なんでもっと早くやらなかったんだろう」と思ったのを覚えています。
これが秘訣の1つ目です。
秘訣①:DCTフルードは「2万kmごと」に交換する
エンジンオイルほど頻繁じゃなくていいですが、サボると一気にガタがきます。
2万km走ったら交換、が目安です。
自分でやる人へ:工具は必ず事前に全部揃えてください
DCTフルードの交換は、エアクリーナーを外して、アンダーカバーを外して、工程がかなり多いです。
全部バラして、さあオイルを抜くぞ、という段階になってから「あ、このボルトに合うソケットがない」と気づくと、全部元に戻してホームセンターに買いに行って、また最初からやり直しです。
これ、実際にやりました。
もう笑えません。
ボルボはトルクスネジ(星形)や特殊サイズが多くて、普通の工具セットでは対応できないことがよくあります。
事前にドレンボルトのサイズを調べて、工具を全部手元に揃えてから始めてください。
フルード交換よりも、「工具の準備」が一番大事です。
ちなみに今回使ったのはバルボリンのDCTフルードです。

↑これ1本で交換できます。参考にどうぞ。
交換の具体的な手順はこちらの記事で詳しく解説しています。
→ ボルボV60のDCTオイルを自分で交換する方法【費用を最小限に抑えるやり方】
秘訣②:アクセルは「一呼吸おいてから」踏む
これ、地味に大事です。
DCTはギアが入ってからクラッチが完全につながるまで、わずかなタイムラグがあります。
そこに急いでアクセルを踏むと、クラッチが半クラ状態のまま大きな力がかかって傷みます。
ギアが入ったな、という感覚があってから、ゆっくりアクセルを踏む。
「急かさない」イメージです。
特にバックの時と坂道発進の時。
この2つだけ意識しておけば大丈夫です。
そして3つ目が、一番見落とされているポイントです。
秘訣③:渋滞を「避ける」という意識改革
DCTは渋滞でのノロノロ運転が、苦手です。
クリープで進んでは止まる、また進んでは止まる、の繰り返しでDCTが発熱します。
発熱するとフルードが劣化して、クラッチへのダメージが加速する。
僕は生活圏の道をだいたい把握していて、信号が多い道・渋滞する道は最初から避けるルートを選んでいます。
時間帯も同じで、「この道はこの時間帯は混む」がわかっていれば、そこには乗らない。
車のためだけじゃなくて、自分のイライラも減るので一石二鳥です。
東名高速で「あ、これ止まるわ」と思った日
一度だけ、避けられない渋滞にはまったことがあります。
週末の東名高速で事故渋滞が起きて、1時間以上クリープで進んでは止まるを繰り返していました。
最初はまあ仕方ないか、くらいだったんですが、30分を過ぎたころから変速ショックがじわじわひどくなってきました。
ガクン、ガクン。
ガクン、ガクン。
揺れながら進んで、止まって、また揺れながら進む、を繰り返していたら、アクセルを離した瞬間にエンジンの回転数がブンブンとぶれる挙動が出てきました。
「あ、これ止まるわ」と思いました。
止まったらレッカーコース。最悪です。
近くに降り口があったので、すぐ高速を降りてコンビニに停車。
エンジンを切って、1時間ほど休ませたら、その後は普通に走れました。
DCTが渋滞でおかしくなったら、とにかく止まって冷やす。
これを覚えておくだけで、パニックにならずに済みます。
その症状、もう限界のサインかもしれません
以下の症状が出ている人は、早めに動いてください。
変速ショック(ガコン、ガタン)が出てきた
フルードが劣化しているサインです。まずフルード交換を。
バックギアが入りにくい、または入らない
クラッチが限界に近づいています。
坂道発進で後ずさりする
1速への入りが悪くなっています。早めに。
クリープが弱い、または出ない
ここまで来ると重症です。すぐ診てもらってください。
これらは全部、「フルードの劣化が進んでいる」というDCTからのサインです。
放置すると修理費50〜80万円コースになります。
早めに対処するほど、出費が小さく済みます。
自分でやるのが怖い人へ
DCTフルードの交換は、工程さえ覚えてしまえば次からは楽です。
ただ、正直に言うと、工程が多くて特殊工具も必要なので「ここは自分じゃ触りたくない」と思う人もいると思います。
そういう場合は、輸入車専門の整備店に相談するのが安心です。
ディーラーよりコストが抑えられて、かつDCTを理解しているところに頼むのがベストです。
まとめ
- DCTは正しく乗ってちゃんとメンテすれば、13万kmでも全然壊れない
- 買ったらまずDCTフルードの状態を確認する(真っ黒なら即交換)
- フルード交換は2万kmごと。工具を全部揃えてから始める
- アクセルは一呼吸おいてから。急かさない
- 渋滞は避ける。はまったら途中で止まって1時間冷やす
- 変速ショック・バック不良・坂道後ずさりが出たら早めに対処
DCTのV60は、知っているオーナーが乗れば長く乗れる車です。
知らないまま乗ると、ある日突然高い授業料を払うことになります。
僕は遠回りした分、正直に話せることがあります。参考になれば。


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