垂直ソーラーパネルを夏に寝かせたら、発電量は約2.8倍になった【実測】

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こんにちは、YAMANASHI TECHのこあきなです。
山梨の山奥で、ソーラーで電気を自給する暮らしをしています。

「ソーラーパネルの角度で発電量が変わる」というのは、検索すればいくらでも出てくる話です。緯度に係数を掛けて、季節ごとの最適角度は何度、という計算式もすぐ見つかります。

でも、実際に角度を変えて発電量を測った記事は、ほとんど見つかりませんでした。みんな計算はするけど、測ってはいない。

じゃあ自分で測ろう、というのが今回の記事です。

結論から言うと、真夏にほぼ垂直だったパネルを寝かせたら、システム全体の発電量が約330Wから920W、およそ2.8倍になりました。

ただし、この数字には注釈が必要です。きれいな検証にならなかった部分も含めて、正直に全部書きます。


目次

実験の前提:うちのパネル構成

自宅のセミオフグリッドシステムのパネルは2系統あります。

  • 200W×3枚(直列):家の前の傾斜畑にベタ置き。畑の傾斜がゆるい角度になっていて、夏の高い太陽とは相性がいい状態
  • 270W×3枚(直列):手すりに引っ掛けて、ほぼ垂直

この2系統を並列にして、合計定格1,410W。インバーターはリョクエンのHSI3000Uです。

問題は270W側でした。垂直というのは冬の低い太陽には有利な角度ですが、夏の高い太陽に対しては最悪の角度です。太陽高度が75°を超える真夏の正午、垂直パネルには光がほぼ「素通り」します。

計算上、この810W分は夏のあいだ実効2割程度しか働いていないはず。それを畑に寝かせたらどうなるか、が今回の検証です。

ベタ置きの下敷きは、古畳です

ちなみにパネルの下には、古い畳を敷いています。

い草の昔ながらの畳なので、雑草を抑えて、地面の凹凸を吸収して、パネルの傷を防いで、数年かけて朽ちたら最後は畑の有機物になります。畳の処分費も浮くので、うちではこれを勝手にアップサイクルと呼んでいます。この話は掘ると長いので、また別の記事で。


Before:垂直時代の発電量

パネルを動かす前、2026年7月15日の午前中に測った値がこちらです。

システム全体で約330W(垂直の810W分+ベタ置きの600W分の合計)

正直な注釈:この330Wは、インバーターの表示(PV電圧57V・出力電流11.6A)からバッテリー電圧を使って概算した値です。このあと説明する「正しい直読み」を、動かす前にはまだ知りませんでした。Before側の精度が甘いのは、この検証の反省点です。

600W分が最適角度で働いていてこの数字ということは、垂直の810W分はほとんど仕事をしていなかったことになります。定格の6割近くを占めるパネルが、夏はほぼ飾り。もったいない話です。


作業:手すりから外して、畑に寝かせる

作業自体は簡単でした。設置場所が屋根じゃなくて家の前の傾斜畑なので、脚立も命綱もいりません。手すりから270Wパネルを外して、200Wパネルの隣に並べてベタ置きするだけ。

……のはずだったんですが、ここでトラブルが起きます。

寝かせた直後の発電量が420W。ほとんど増えていませんでした。

原因を調べたら、270W系統の電気がそもそもインバーターに届いておらず、さらに配線に入れていた逆流防止ダイオードが熱を持って劣化しかけていることがわかりました。結局、両系統のダイオードを新品に交換することになります。

このトラブルシューティングの詳細は別記事に書きました。「角度を変えたのに増えない」ときは、角度以外を疑う必要がある、といういい教訓です。

After:寝かせた後の発電量

ダイオード交換後、両系統をつないで測り直した結果がこちらです。測定はインバーターの「PV OUTPUT KW」表示の直読みです。

時刻発電量条件
11:00前920W晴天・PV回路温度45℃
12:26890W晴天
14:40520W雲がかかった(参考値)

ピークで920W。Beforeの約330Wと比べると、約2.8倍です。

14:40の落ち込みは雲の影響なので、角度や時間帯のせいではありません。単発の測定は天気ひとつでブレる、というのも実測してみて身に染みたことです。測定値には気象条件をセットで記録しておくのをおすすめします。


正直な総括:「2.8倍」は角度だけの効果ではない

ここは誠実に書いておきたいところです。

330W→920Wの改善には、角度変更とダイオード交換の両方の効果が混ざっています。劣化しかけたダイオードがBeforeの数字をどれだけ押し下げていたかは、今となっては切り分けられません。

それでも、垂直パネルが夏の太陽に対してほぼ無力だったこと、寝かせることでシステムが本来の力を取り戻したことは、数字がはっきり示しています。

そしてもうひとつ。920Wという数字自体、定格1,410Wの65%です。「あれ、最適化したのにそんなもの?」と思った方、鋭いです。この65%の内訳(暑さ・変換効率・並列ミスマッチなど)も別記事で全部説明しています。


今後の運用:季節ごとの手動チルト

今回の結果を受けて、うちの270W系統は季節で角度を変える運用にします。

  • 夏(春分〜秋分):寝かせる(20〜30°)
  • 冬(秋分〜春分):立てる(55°〜垂直)。垂直は積雪が滑り落ちるメリットもある

年2回、春分と秋分のあたりで動かすだけ。畑に置いてあるので作業は10分です。固定設置で年間を妥協するより、年2回の10分で両方のいいとこ取りをする。完璧じゃなくていい、いいとこ取りで十分、です。

冬になったら、今度は「立てたらどれだけ変わるか」を同じ方法で実測する予定です。そのときはBefore側もちゃんと直読みで測ります。


まとめ

  • 垂直パネルは夏の太陽にほぼ無力(計算通りだった)
  • 寝かせたらシステム全体で約330W→920W、約2.8倍
  • ただし改善分にはダイオード交換の効果も混ざっている(正直な注釈)
  • 単発測定は天気でブレる。気象条件も一緒に記録すべき
  • 角度調整は年2回・各10分。費用ゼロで発電量を底上げできる一番安い投資

理論記事の計算式は正しいです。でも、実際にやってみると計算式には出てこないトラブルや発見が次々出てきます。それを含めて全部が、自分でやる面白さだと思います。

というわけで、今回は真夏のソーラーパネル角度検証・実測編でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今日もあなたの手で、素敵な1日を作ってくださいね。こあきなでした。

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