ソーラー発電DIYで車の中古バッテリーって使えるの?【体験談】

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【リン酸鉄バッテリーが最強】初心者でも私の経験談を参考にすれば失敗しない

「電気を契約していない山小屋に、ちょっとした電気が使えたら、どんなに便利だろうか」

私のDIYソーラー発電は、そんな小さな夢から始まりました。コンセントも電気契約もない場所に、自分だけの力で光を灯す。その中心にあるのが、電気を蓄える「バッテリー」です。

しかし、このバッテリー選びこそが、初心者が最初にして最大の壁にぶつかるポイントなのです。結論から言うと、ソーラー発電DIY初心者が車の中古バッテリーを使うのって、用途しだいでは使えるけど、経験者向けです。初心者はリチウムイオンバッテリーが確実です。

こんにちは、YAMANASHI TECHのたすけです。この記事では、私が実際に経験した「バッテリー探しの旅」の全貌をお話し、なぜ今「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」が唯一の正解なのか、そして、どうやって選べば後悔しないのかを、徹底的に解説します。

目次

バッテリー探しと、それぞれの「壁」

ソーラー発電を始めようと思い立ったとき、誰もが同じ失敗の道を辿るはず。私もそうでした。できるだけコストを抑えたい、でも失敗はしたくない。そんな思いで、様々なバッテリーを検討しては、これまでたくさんの「壁」にぶつかってきました。

ステージ1:車の「お古」バッテリーは使える?

まず誰もが考えるのが、最も安価に手に入る「車のお古のバッテリー」ですよね。私も、最初はこれで十分だと考えていました。

【OKな使い方】消費電力が低い、継続的な負荷

実際に試した結果、消費電力が常に数十W程度の、継続的な負荷になら十分使えました。

  • 小屋の防犯カメラやLED照明
  • 畑の電気柵の電源
  • スマートフォンや、電動工具の「バッテリー」の充電

【NGな使い方】モーター駆動の機器はやめとけ!

しかし、調子に乗って「消費電力250W」と書かれたグラインダーを繋いだ瞬間、インバーターから悲鳴のような警告音が鳴り響きました。原因は、モーターが動き出す瞬間に発生する「突入電流」です。

モーターは、スペックの何倍もの電力を一瞬だけ要求するため、インバーターやバッテリーに深刻なダメージを与える可能性があります。私の肌感覚では、ギリギリ扇風機が動くか動かないか、というレベルが限界だと感じました。絶対に、コンセントタイプの電動工具などは接続しないことをおすすめします。

【根本的な弱点】鉛バッテリーは容量の半分しか使えず、防災にも不向き

さらに、鉛バッテリーには致命的な弱点があります。それは、記載されている容量の約半分しか使えないこと。なぜなら、容量の50%以上を使う「過放電」状態になると、バッテリーの寿命が極端に短くなるからです。常に半分までの残量を意識して使う必要があります。

また、使わなくてもどんどん自己放電していくため、「いざという時の防災用に」と保管していても、本当に必要な時に空っぽ…という事態になりかねません。

結論として、車のバッテリーは「超小規模な定電力の負荷」に限定すれば使えますが、これでは夢のオフグリッド生活には程遠い、というのが私の出した答えでした。

ステージ2:ならば「ディープサイクルバッテリー」か?

次に私が検討したのが、キャンピングカーなどで使われる「ディープサイクルバッテリー」です。車のバッテリーよりは高性能ですが、ここにも大きな壁がありました。

  • 重い:ヤフオクなどで見かけるゴルフカート用の中古品は、1kWhクラスで30kg以上。一人で設置するのは一苦労です。
  • 高価で短命:新品は高価な割に、後述するリン酸鉄リチウムイオンバッテリーほどの充放電サイクル回数は期待できません。
  • 中古はギャンブル:安価な中古品は、前の所有者がどんな使い方をしていたか分からず、すぐに「ゴミ」になってしまうリスクを抱えています。

重くて、高くて、寿命も中途半端…。これもまた、私の求める「最適解」ではありませんでした。

結論:そして「リン酸鉄」が最適解になる

車のバッテリー、ディープサイクルバッテリー…。いくつもの壁にぶつかった末に、私が行き着いた答え。それが、「リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)バッテリー」です。

数年前までは非常に高価な存在でしたが、技術の進歩と普及により、今では私たちDIYユーザーでも十分に手が届く価格になりました。

安全性、長寿命、軽量性、そしてメンテナンスフリー。
あらゆる面で、これまでのバッテリーの弱点を克服したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、2025年現在、DIYソーラー発電における唯一の正解だと、私は断言します。

リン酸鉄バッテリーの「正しい選び方」

「よし、リン酸鉄バッテリーを買うぞ!」と決意しても、最後の壁が残っています。それは、製品スペックの読み解き方です。

多くの製品には「100Ah」のように、Ah(アンペアアワー)という単位で容量が書かれています。しかし、この数字だけを見て選ぶと、私のように後悔することになります。

本当の容量は「Wh(ワットアワー)」で見よう!

Ahとは、バッテリーの「電圧(V)を無視した」容量表記です。本当に重要なのは、電圧(V)とAhを掛け合わせた「Wh(ワットアワー)」です。

電力(W) × 時間(h) = 電力量(Wh)

このWhこそが、バッテリーが実際にどれだけのエネルギーを蓄えられるかを示す、本当の実力値なのです。例えば、100Ahのバッテリーでも、電圧が12Vなら1200Whですが、24Vなら2400Whと、その実力は全く異なります。必ずWhを確認する癖をつけましょう。

「で、結局どのくらいのWhが必要なの?」という最大の疑問を解決します

ここまで読んで、きっとあなたはこう思っているはずです。

「バッテリーの種類も、容量の見方も分かった。でも、私の使い方だと、一体何Whのバッテリーを選べば正解なんだ?

これこそが、バッテリー選びにおける最後の、そして最大の難関です。使いたい家電の消費電力をリストアップし、使用時間を想定し、安全マージンを考慮して…と、その計算は非常に面倒です。

その面倒な計算、そして「容量が足りなかったらどうしよう」という不安を、すべて過去のものにするために。私の知識と経験を全て注ぎ込んで開発したのが、DIY太陽光発電シミュレーター「ソーラーレシピ」です。

このアプリを使えば、あなたが「この家電と、この家電を使いたい」と選ぶだけで、

  • 必要なバッテリー容量(Wh)を自動で計算し、
  • それに最適なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを、
  • 数ある製品の中から選び出して提案します。

私がバッテリー選びで悩み、遠回りしてきたからこそ作れた「答え」です。
あなたには、もう遠回りをしてほしくない。ぜひ一度、この最も簡単な解決策に触れてみてください。


>> DIY太陽光発電シミュレーター「ソーラーレシピ」を使ってみる

【この記事を書いた人】

著者「たすけ」のプロフィール写真

たすけ / YAMANASHI TECH

電気が通っていない山梨の古屋を手に入れたことをきっかけに、独学で太陽光発電を学び、現在では複数の独立型電源システムを設計・運用。自身の「初心者の頃につまずいた経験」を元に、誰もが安全・低コストで太陽光発電デビューできるアプリ「ソーラーレシピ」を開発。YAMANASHI TECHのメンバーとして、DIYで暮らしを豊かにする技術情報を発信している。


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